福田玲三 ふくだ れいぞう |
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1923年 岡山生まれ 大阪外語学校(現大阪大学外国語学部) 卒 1943年 学徒出陣 1949年 国鉄労働組合(書記) 2013年 「完全護憲の会」の設立 |
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【HPコラム 2025・6】 戦後80年の感想
「戦後80年 『戦後』は終わったのか」の問いかけに、北岡伸一・東京大学名誉教授は、その答えを、次のように結んでいる。(朝日新聞25年4月22日付) 「……私は、10年前に安倍晋三政権が出した戦後70年談話の作成に関わりました。その中では『侵略』『植民地支配』という言葉を使った。歴史的な事実だったからです。 石破首相は80年談話の代わりに、国民へのメッセージを出す方針のようですが、もう『おわび』の要素は入れる必要はないと思います。歴史を伝えることと、いつまでも謝罪を続けることは同じではありません。戦後80年に意味があるとすれば、歴史を正しく知り、今後の日本がなすべきことを考える機会にすることではないでしょうか。」 この回答を読んで思い出したのは、安倍政権の戦後70年談話だ。この談話は、上辺は戦後50年の村山談話の「植民地支配」「侵略」「痛切な反省」「おわび」を引継いでいると見せながら、「あの戦争には何ら関わりのない、私たちの子や孫、そしてその先の世代の子供たちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」と結び、村山談話の誠意を台無しにする、面従腹背、安倍の得意技だった。 今回の北岡回答をみると、一度はやむなくおわびしたが、もう二度と謝罪したくないと、まるで地獄の底でつく溜息が聞こえるかのようだ。 毎回、おわびをするごとに、今後の日本のあり方を考える、それが誠意ではないか。 北岡回答を見て、また思い出したのはホー・チ・ミン北ベトナム主席の次の言葉だ。「人にいいことをされたら、永遠に忘れない。こちらが人にいいことをしたら、それは忘れてもいい。」(本多勝一著『北爆の下』p.379) この言葉はベトナム解放戦争を支援した諸国の人民に向けられた謝意のようだ。 いま、北岡回答をホー・チ・ミン主席の言葉に移せば、「人に悪いことをされたら、永遠に忘れない。こちらが人に悪いことをしたら、それは忘れてもいい」となろうか。まるで逆の教えだ。 30年にわたる民族の命運をかけた戦争を勝利に終えた指導者の大きな心と、15年にわたる侵略戦争を敗北で終えた国の教授の小さな心の、その開きは明らかだ。 この風格の違いを、いま私は実感している。 |
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100歳の「護憲」歩みは続く 戦争を体験 福田玲三さんの訴え 東京新聞 TOKYO Web (tokyo-np.co.jp) 2024年2月8日『東京新聞』朝刊 |
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講演記録 2023.12・17 本郷文化フォーラム・ホール 「松川事件、三鷹事件、『新しい戦前』について」 web労動者文学会作品集 |
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![]() 三鷹事件・巨大な謀略の闇 ー冤罪晴らす再審再開をー 完全護憲の会 2020年9月 |
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朝日新聞(3月6日付)の「私の視点」欄に弁護士・市川清文による「憲法の『平等』原則尊重を――沖縄の基地負担軽減」と題する論文が載った。その趣旨は、 |
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さる1月18日は、今から56年前の1967年に、竹内景助さんが東京・西巣鴨の東京拘置所で逝去された日だ。当時、私は国労の書記として当拘置所に2晩か泊まり込んでご臨終に立ち会った。 |
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![]() 「走る高齢者たち/オールドランナーヒストリー」 『梨の木舎』 2020年7月1日発行 |
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1949年7月15日に国鉄中央線三鷹駅で発生した電車暴走事件の犯人とされ、再審請求中の1967年1月18日に、死刑囚のまま無念の獄死をされた竹内景助さんとの付き合いは長い。1963年9月12日に2度目の最高裁で、松川事件の被告全員の無罪が確定して後、東京駅八重洲南口近くにあった国労会館の「松川・三鷹友の会」は「三鷹友の会」に改称し、毎月1回、獄中面会を重ねた。 私はその機会に獄中訪問をして、金網越しに初めて見る竹内さんは1949年に投獄される以前の凛々しい国鉄労働者の面影を、そのまま残していました。その後、竹内さんの長男健一郎氏が父の意志をついだ再審開始請求を実現し、事件の真相を解明し、冤罪を晴らす展望を、今、何として切り開かなければなりません。 竹内さん獄死から54年経たさる4月23日、都内・連合会館で開催された平和フォーラム総会に出席し、三鷹事件再審請求への支援を要請しました。この総会出席は元国労委員長・武藤久と総評OB会事務局長・北岡孝義の両氏のご紹介によります。総会における支援の決定をうけて、6月4日開催の第1回運営委員会では、国労の佐藤裕樹書記長から支援の具体策が提案され、その提案に基づき、平和フォーラム竹内広人事務局長から「『三鷹事件』の再審決定を求める団体署名のとりくみにについて」が6月7日付で発出されました。 自治労80万、日教組25万、私鉄10万人を筆頭とする平和フォーラムの署名運動とあわせて、保革を問わず、左右を問わず、老若男女を問わず、貧富を問わず、都市と農漁村を問わず、臆病と大胆な人を問わず、今なお苦難の道をたどる遺族を救出するため全国津々浦々に理解と協力を呼びかけています。 |
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