【概要】
古今東西の文学の森。そこには愛といのちの文学が伝える希望が響いています。
私たちの生きる21世紀のグローバル世界は、戦争や環境クライシスなど、大きな困難におおわれています。本講座では、主に近代以降の文学作品を取り上げ、外国文学にも目を向けながら、作家や詩人の生きた時代とその生涯とともに、文学の秘めた魅力を見つめ直します。それは困難な時代を生きる希望の道標となるでしょう。
これまでの本講座でテーマとした「いのちを見つめる文学」に続き、「愛といのちの文学」をともに考え、文学の希望を読み解きます。
第1回 6月15日(土) ドストエフスキー『地下生活者の手記』『罪と罰』――愛といのちの文学、新しい楽園へ 19世紀のペテルブルグで、精神の地下室に閉じこもる男と、リーザという不幸な女性をめぐる手記と、罪を犯した青年ラスコーリニコフと信仰に生きるソーニャとの救済による愛の物語を見つめます。
第2回 6月22日(土) 椎名麟三『邂逅』――自由への途と回心のドラマ
戦後の自由を求めて生きることの苦悩のなかで、キリスト教の洗礼を受け、回心のドラマを体験した椎名麟三。そのけわしい自由への途を、『邂逅』とともにたどります。
第3回 6月29日(土) 石原吉郎『望郷と海』『断念の海から』――ラーゲリを生きた詩人、望郷と希望 厳寒の地で、ラーゲリ(強制収容所)を生きぬいた詩人の望郷と希望の交錯するエッセイ集から伝わる言葉の真実と詩の世界を考えます。
第4回 7月 6日(土)
高橋たか子『誘惑者』『私の通った路』――悪を描く文学から霊性の文学へ 友人を三原山火口での自殺行に誘う『誘惑者』から、カトリックのキリスト者となり、フランスでの修道院生活を経験した、その神探究の物語『私の通った路』をたどります。
第5回 7月13日(土) 高良留美子と詩の宇宙――『高良留美子全詩』といのちの詩、縄文の森と自由 生命の河の水音と歴史の声を聞き、いのちと愛の詩をつづった詩人(女性史家)の詩の宇宙を、遺著『見出された縄文の母系制と月の文化』から照らしだします。
講師紹介 小林孝𠮷 文芸評論家 明治学院大学キリスト教研究所協力研究員 1953年、長野県生まれ。明治学院大学文学部卒業。博士(学術)九州大学。NPO法人滝沢克己協会理事長。元学校法人神奈川大学常務理事。著書に、『椎名麟三論 回心の瞬間』(菁柿堂)、『滝沢克己 存在の宇宙』(創言社)、『記憶と文学』(御茶の水書房)、『埴谷雄高『死霊』論』(御茶の水書房)、『椎名麟三の文学と希望』(菁柿堂)、『内村鑑三』(御茶の水書房)、『内村鑑三の聖書講解』(教文館)、『内村鑑三の信仰詩・訳詩・短歌等集成』(編、明治学院大学キリスト教研究所)などがある。
問い合わせ 神奈川大学KUポートスクエア(みなとみらいキャンパス)045(682)5553 HPから申し込みができます。
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