DIGITAL『労働者文学』【準備号】 会員(小島 力)の本
『労働者文学賞2023』



金山明子 
『労働者文学』第7号(1982年)から


2023年1月1日【創刊準備号】 UP



「詩集 わが涙滂々」
原発にふるさとを追われて


2013年5月10日

西田書店 1400
+税




多数の応募ありがとうございました


 2023年7月発行
『労働者文学』92号にて発表予定



【HPコラム 2023・3】

亡骸と化す9条

              塩野光弘

 小学3年の秋だったか、担任が「新しい憲法の話」をした。「これから先日本には、陸軍も海軍も空軍もないのです。これを戦力の放棄といいます。放棄とは「捨てる」ということです。しかし心細く思うことはありません。日本は、正しいことを、ほかの国より先に行ったのです」。幼い心に、正義と新日本建設への熱い思いが伝わってきた。
 だが、この「憲法9条」は2015年、安倍元首相の「安全保障法制」で、ほぼ死命を制された。そして今次国会では、『敵基地攻撃能力の保有』が案に上がった。岸田首相は、自衛のためなら、ミサイルを撃ち込んでも「憲法の範囲内である」と繰り返した。問題は、この「憲法の範囲内」である。自衛隊の武力行使に、なお憲法9条の制約があるか否かの真摯な突き詰めた憲法論議が行われていないのだ。
 政府が根拠に上げたのは、1956年の鳩山一郎首相の「座して自滅を待つべしというと言うのが憲法の趣旨だとは、どうしても考えられない」との古色蒼然とした回答であった。
 戦後の米軍の駐留は戦略的意味を持つが、「戦力」を保持しない日本の自衛能力を補完するものとして、沖縄を含む基地を提供し、その費用を負担してきた。これが現実的な日本の平和主義の証であり、「盾」に徹しての専守防衛と、憲法9条が実力組織である自衛隊の装備に嵌めた唯一のタガではなかったのか。それを外すことは憲法9条を第一義的に論議せねばならない。
 5万人を超す在日米軍の存在を指摘すると、岸田首相は「今や米軍に依存せず、自ら守る努力が不可欠だ」と驚くべき返答をした。どういう意味か。「政府は憲法解釈を変えたのか」と考えるのが普通だが、首相は「変更しておりません」としらを切った。これが国会での討論である。
 何と杜撰な論議なのか。単に憲法の議論を避けて通りたいだけではないのか。本来ならば国家権力を縛る『憲法』を、解釈的変更を行い、時には政権が勝手気ままにねじ曲げる。そして曲げたことすら認めない。勿論謝罪などまったくない。
 圧倒的勢力の自民党政権の「黄金の3年」はどこまで続くのか。もしも憲法9条の平和主義が時代にそぐわず、現在の自衛隊では、この国を守れぬと考えるならば、トマホーク購入以前に正面から国民に訴え・問うべきではないだろうか。
 憲法の規定に反する立法や施策を積み重ね、法治国家の名を汚し、立憲主義をないがしろにしていく。そして亡骸と化す9条が消えていく。




【会員・会などの活動と予定】 【掲示板】

3月22日
鎌田慧「沈思実行」第140回

1月31日
『千年紀文学』 141号発行

4月26日
労働者文学会拡大幹事会

3月12日
『完全護憲の会ニュース』111号発行

3月10日
『通信・労働者文学』 306号発行

3月1日

『伝送便』 528号発行

4月16日(日)
第44回 労働者文学会総会







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会員募集中 『いてんぜ通信』 完全護憲の会 村松孝明
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会員推薦の本 電子書籍 鎌田慧「沈思実行 総評文学賞作品集
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