登 芳久 のぼり よしひさ |
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「「空とぶ鯨」アンソロジー」 ドットウイザード 2021年 「煙霞の癖」 さきたま出版会 2019年 「夢の播種」 さきたま出版会 2018年 「月橘の香り」 さきたま出版会 2013年 「定本 鵙」 さきたま出版会 2011年 「攝陽妖翳記」 さきたま出版会 2009年 「懶夢譚」 さきたま出版会 2007年 |
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戦前のプロレタリア文学に関して本誌に雑文を書くようになってから、その根底には遠縁の中野重治氏の強い影響力があることを感じるようになった。例えば「戦旗」昭和4年11月号に〈戦旗偏輯局〉の名称で発表された「文章の書き方」がそのことを明らかにしている。それは「全国三万の『戦旗』読者諸君!」で始まっている。 |
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【HPコラム 2022・4 後半】 登 芳久 |
わたしたちの同人誌「創樹」は、日本文学学校で始めて教壇に立たれた田所泉講師のクラス(昭和五九年度卒業)OBによって創設された文芸同人誌「蒲公英」が原点になっている。田所さんは文芸評論『昭和天皇の和歌』で知られる作家で、メーデー事件を描いた実録小説「出廷拒否」等の作品がある。 平成十年十二月に先の同人誌「蒲公英」から分離独立して、森島さんを代表とする同人誌「創樹」が創設された経緯があった。森島さんの本領である人間や事物のもつ複雑な感触や、それらが孕む微妙な気配を表現する後期の佳品は、田所講師の推挽で本誌に多数掲載されている。 平成十七年三月に新日本文学会が解散して、その翌年四月に田所講師が逝去された後も本会はわたしたちの心の支えとなって現在に至っている。必要があってこれらのバックナンバーを通読すると、その何れもが文学青年の手すさびの域を既に超えて、文体には少なからぬ混乱はみられるようだが、そのそれぞれには生涯の目標を定めた確かな意識が感じられるのである。本誌の同人で他の文芸同人誌を主宰しているものには、関西では「てくる」(平野千景)、関東では「土曜文学」(登芳久)がある。今後とも森島さんの健やかな長生を願うに切なるものがある。 |
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