加野康一  かの こういち



元『労働者文学』編集長



大根役者のバトンタッチ  加野康一  

 【HPコラム 2021・3】

これまでに「打倒!安倍政権」とどれだけ叫び続けてきたことか。しぶとく粘りに粘って「憲法改正」までは、としがみついていた総理の椅子をあっけなく投げ出したのはいいとしても、次を作るためのヤラセ芝居が裏にあって、次期総裁候補と、メディアも含めて考えられていた本命も対抗も関係ナシの無印がやすやすと総裁の椅子に座ることになった。

病気という名目での退陣だったが、結果を見れば、ヤラセ芝居の痕跡は見事なほどに明らかで、このままではとても我が身が持たない、逃げるしかない。ついては我が身に及ぶ罪状の数々を守ってくれる男にバトンを受けてもらうしかない、との推測が簡単に成り立つ。

その中身がどうであれ国のため、国民のために信念を持ってやったことと胸を張れるなら、結果が間違っていても堂々と縛につくのが男の矜持というもので、まあ、それほどの器でないことは分ってはいましたが……それにしても、次なる総裁の言動たるや。ご本人は大恩人を守ることに汲々として、しかし、転がり込んだ玉を、そう簡単に手放すものかという気になっているようで……、嗚呼。

              『労働者文学』88号編集後記



加野康一の作品

「コロナ狂騒曲」 

web労動者文学会作品集収納 (外部リンク)