小型ラジコンヘリコプター試作室：設計、部品作り、組立、飛行まで

****第27****　

４ブレード機にテールブレード駆動ギアユニットを組み込む

・ラジコンヘリのスケールモデル製作に向けた基礎技術
・テールブレードモーターを機体中心部に配置
・スケールモデル製作での実機感を出す

6.途中経過（再度ギア比1：1でギアボックスを試作）

2013年1月6日（日）

前回まで: 下記（2012年12月30日（日））の“5.ギアボックス作り換え”に示した様に、ギア比1：2を入れ換えての検証では安定な飛行ができないことが分かった。

今回は、: 再度ギア比1：1でギアボックスを試作して飛行検証した。; ギア比1：1はメインブレード3枚機の試行では良好な飛行が得られている。これを拠り所とした。; 以下の組合せで行った; 　　　使用機体　　　　：現状4ブレード機と今回拠り所にしたメインブレード3枚機の２機、; 　　　ブームの長さ　：長短の2種（長＝140mm、短＝130mm）; 　　　　　　　　　　　　　　（長：現状機に使用していたもの。　短：メインブレード3枚機に使用したもの）; 　　　　　　　　　　　　　　（長さは、メインシャフトからテールシャフトまでを表している）　　;

ギアボックス：ギア比　　　　---1：1---　　　　　　　　　　

（1）ギアボックス製作

出力ギアは駆動ギアとの噛み合わせを深くするため、薄くしてある（当初から同じ）。
フレーム（ジュラルミン板1.5mm）、ボールベアリングカバー等、細心の注意を払って製作した。

飛行検証

①現状機にテール短（130mm）組み込み

②メインブレード3枚機にテール短（130mm）組み込み

③現状機にテール長（140mm）組み込み

④メインブレード3枚機にテール長（140mm）組み込み

⑤現状機にテール長（140mm）組み込み（2）：テールギアを駆動側と出力側を入れ換え

（2）飛行後記

(a)飛行評価
　　　　　　（ギアの噛み合わせはバックラッシュが殆ど無く、ゴロ接触が最小になるようにした）

機体	テールの小刻みな振れ	評価
①現状機にテール短（130mm）組み込み	激しい	××
②メインブレード3枚機にテール短（130mm）組み込み	激しさ若干少な目	×
③現状機にテール長（140mm）組み込み	激しい	××
④メインブレード3枚機にテール長（140mm）組み込み	離陸時に振れるも、止まる時がある	△
⑤現状機にテール長（140mm）組み込み（2）：テールギアを駆動側と出力側を入れ換え	止まる時がある	△

(b)ビビリ振動: どの映像からも、テールの小刻みな振れは、ビビリ振動音と共に起きている。
このビビリ振動が抵抗となり、テールブレードの回転を抑えて、ジャイロ制御に追従出来なくなっていると考えてよさそう。

ギアは直角より鋭角のもので、これを敢えて直行させているため、噛合せが点接触になっていて、全周均一な接触になっていないように思える。根本的な問題が影響していると考えられる。

(c)条件さえ合えば: ⑤ではギアを駆動側と出力側を入れ換えただけでビビリ振動が少なくなっている、条件さえ合えば飛行が可能と思わせる結果となっている。

②と④のメインブレード3枚機はビビリ振動が現状機①、③より少ない。; 3ブレード機：約49g、4ブレード機：約37gと重量差で重いほうがビビリ振動が起き難くいのか？

（3）今後の課題

今回までギアによる飛行を検証してきたが、ここまで来ると、歯数比1：1の正常噛合せのギアと対比したい。

なんとかして入手に向け調査してみる。モジュール0.3、歯数：20以下を目処とする。

よって、テールブレード駆動ギアユニットの組み込みは今回迄で一時保留としたい。
尚、これに関する新たな発想が出た時点で実証確認を行いたい。

（4）次回

全く離れるが、メインブレードを作る。
今回迄の飛行で墜落を繰り返し、殆ど消耗（バルサ材とカーボンの複合品）したので、補充も兼ねる。材料は、Walkera-Mini CPのメインブレードを材料にして破損し難いブレードになるか試す。

5.途中経過（ギアボックス作り変え）

　2012年12月30日（日）

前回まで: 下記（2012年12月23日（日））の“4.途中経過”に示した様に、テールが時々カクンッと振れたり、飛行中にスロットルを急激に上げると、テールが大きく振られ（左回転）制御から逸脱しそうになった。

今回は、: ギアボックスを作り変え、バックラッシュ調整や、テールブレードの回転数を上げられるようにして飛行を検証した。


ギアボックス：ギア比　　　　---1：2---	---2：1 ---

（1）ギアボックス製作

上の写真のように、1：2の歯車を駆動側と出力側を差し換えて回転数を変える構造にした。
フレームをジュラルミン板1.5mmにして剛性を上げた。

歯車のバックラッシュは、回転抵抗の変化の感触を診ながら位置調整した。

（2）飛行後記

①ギア比　1（駆動）：2（出力）　の飛行

スロットルを急激に上げると、前回と同様、テールが大きく振れ（左回転）、制御から逸脱寸前でなんとか抑えている。
モーター（AP03 7000kv）からの回転数は１/2に減速されているため回転数不足で推力が上がらないと思える。

②ギア比　2（駆動）：1（出力）の飛行

小刻な振れは途切れることはあるものの相変わらず起きている。
映像の始めの部分に見られるように、駆動ギアが同一面の回転をしておらず、噛合せの当たりが揺らいでいる。これも原因しているのかもしれない。

スロットルを急激に上げてもテールは安定していて、追従性は良い。
しかし、飛行1分程度でモーターがかなり熱くなり、これ以上の時間は、異常発熱による脱調（以前経験）が懸念される。ギア比1：1の時には、ほんのり温まる程度で問題無かった。

（3）次回

再度ギア比1：1でギアボックスを試作してみる。

ギア比を変えての飛行の検証ではあったが、上記のような問題で、今回の方法では安定飛行できない。
但し、ギア比1：1のギアボックスはメインブレード3枚機の試行では良好な飛行が得られている。これが実現が可能であることを実証している。

今回使用のような小さな傘歯車で、ギア比　1：1　の物が見当たらない現状としては、イレギュラーな使い方ではあるが現有歯車で再度試作する。

歯車の噛み合わせを安定させることに尽きると思える。
ギアボックスのフレームはジュラルミン（t＝1.5）で剛性アップの効果を期待し、手加工ではあるが正確な工作も重要になる。

4.途中経過（テール左右振れ対策）　　　　　　　　　　

2012年12月23日（日）

前回まで
下記（2012年12月16日（日））の“3.途中経過”に示した様に調整飛行を行ったが、テールが小刻みに左右に振れた。

今回は、
原因を特定できないため、テールユニットを取り外し、これを分解しながら観察した。

（1）歯車の部分当たり（偏心？）: ブラシレスモーターを外し、ギアボックスの出力軸を回すと、僅かではあるが、ゴツゴツ感でキツくなる噛み合いを感じた。
（２）駆動軸の傾き: 歯車を外し駆動軸を回した時に指先に感じる負荷に変化があった。駆動軸がブームの壁面をこすっている感じで、それを確認したのが、この写真。テールユニット挿入部にドリルをシックリ嵌めこんだ時に傾きが見られ、駆動軸が湾曲して内壁を擦っていると思えた。
（３）歯車の回転軸滑り: 2個の歯車は軸に圧入していたが、軸を固定し、歯車を回すとキツクはあるが回すことができ、飛行中に滑らないかと不安を感じた。歯車の材質は樹脂。
（４）テールブームの剛性不足: テールの左右振れは、ブームにステーをつけ、剛性を上げて解決した経験がある。今回もテールユニットの剛性（又は取り付け根元の強度）が不足しているのではと仮定してみた。

取り敢えず、以上の4点を改造して様子を見ることにした。

ギアボックス　　---改造前---

　---改造後---

（1）改造

①歯車の部分当たり（偏心？）対策: 今回傘歯車は歯数比１：２の内の”１”の歯車2個を直行させて敢えてイレギュラーな使い方をしている（上の写真左側）。噛み合わせは点接触になっているため少しの誤差で噛合せのバランスが崩れている可能性がある。そこで、本来の組み合わせに戻して様子を見ることにした（上の写真右側）。
②駆動軸の傾き対策: テールユニット挿入部を作り直した。; 作る過程でブーム材をブーム側と入口側に分断し少し離し、貫通穴にφ1.5の軸を通し、そこに挿入受け壁を接着して軸芯のズレが無い様にした。ここから先端の分断部を切り落とした。
③歯車の回転軸滑り対策: 回転と共に歯車に係合したコイルスプリングが軸を締め付けるようにして滑りが生じないようにした。; この方法は他の歯車やテールモーターと駆動軸の連結部にも用いた。
④テールブームの剛性不足対策.: テールモーターブラケットを裏側でメインフレームにネジ止めした。

テール左右小刻み振れの対策後の飛行映像

（2）飛行後記

①対策の効果: テールの小刻みな左右振れは治まっている。どの要因が大きく効いたか定かではない。只、時々カクンッと振れる瞬間があり、更に対策が必要。
②新たな問題: 飛行中にスティックを急激に上げると、テールが追従するように振られる（左回転）。; 歯数比が１：２で回転数が半減したため、回転数不足で推力が上がらないと思える。

（3）次回

①ギアボックスを作り変える: 歯車の噛み合わせ（バックラッシュ）調整や、歯数比１：２の入れ替えで回転数を上げる等が出来るようにし、飛行を検証する。

3.途中経過（調整飛行） 　　　　　　　　　　　　　

2012年12月16日（日）

前回まで
下記（2012年12月9日（日））の2.途中経過　に示した様に、フレーム組立を略最終段階まで済ませた。

今回は、
電装部品を組み付け、調整飛行にトライした。

フレームへの部品組み付け　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　調整飛行前　　　　

電装部品組付スライドショー
個別写真（説明付き）はこちらから

調整飛行

（1）飛行後記

上の飛行映像に見られるように、テールが小刻みに左右振れしている。右旋回させている過程では振れは収まるように見える。
今回の機体の前の3ブレード機「***第26***テールブレードのギア駆動ユニット製作（2）：バネ撓みとモーター発熱の対策」の飛行映像では問題なく飛行できていた。

3ブレード機との比較は
テール駆動ユニット：ブームの長さを10mm長くしているが、他のモーター等メカ系は同じ物。
テールモータースピードコントローラー両方共：WE-WEST-10A-L6

-------------4ブレード機（今回） ---------------------3ブレード機---------------

機体重量（テール駆動ユニットを外した状態）
4ブレード機（今回）：37.3g
3ブレード機：49.6g

（2）次回

テール左右振れ対策。
現状では対策の切っ掛けになるものが思いつかない。もしかして単純な見落しがあるのか？

2.途中経過（フレーム製作：最終段階）

2012年12月9日（日）

前回まで
下記（2012年12月2日（日）の1.途中経過　に示した様に、テールブーム、サーボブラケットの取り付けまで済ませてあった。

今回は、フレーム組立の最終段階として、
テールモーターブラケットのリブ補強、受信機台、テール駆動軸継手、テールブームの駆動ギアユニット取り付け口、電池保持部、スキッド組立等を済ませた。

フレーム構造検討図：最終段階　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フレーム製作：最終段階　　　　

フレーム製作スライドショー（フレーム製作最終段階）
個別写真（説明付き）はこちらから

（1）次回

（a）部品取り付け
電装部品：受信機、モーター（メイン、テール）スピードコントロラー（メイン、テール）、サーボ（3個）、電池コネクタ
メカ部品：メインシャフト組立、テールギアユニット、メインギア

（b）機体剛性確認
捩じり、撓み、強度等への補強。

（c）重心合わせ
キャノピー装着で確認

（d）飛行評価
出来れば、調整飛行に挑戦したい。

1.途中経過（フレーム製作中）

　2012年12月2日（日）

前回まで
テールブレードを傘歯車を介して駆動させ（前回まで2回の記事、第25、第26参照）、モーターをテールから離す目処を付けた。スケールモデル機の実機感を出し易くなった。

傘歯車は角度が90°以下のため、歯先での動力伝達になっているが、取り敢えず使っていけそう。
モーターはパワーアップで発熱や振られる問題は解消できそう。

今回は
これらの成果を盛り込むため既に製作してある「4ブレード機（下写真）」を改造する。
問題は、テールモーターを機体中心部に配置して重心をメインシャフトに合わせること。組み立てながら部品位置の微調整を行う。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　この機体のフレームを新規に製作する

フレーム構造検討図　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　フレーム製作途中　　　　

フレーム製作スライドショー（製作途中段階）
個別写真（説明付き）はこちらから

（1）改造

（a）メインフレーム
Walkera　HM-4#3B-Z-32 - Main Frameを利用。

（b）テール駆動ユニット
前回までに製作したものを使用。